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English/Japanese

#8
ジェイ・チュン & キュウ・タケキ・マエダ

2017年5月13日(土) - 6月18日(日)
助成
アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
公益財団法人テルモ生命科学芸術財団


内科画廊跡 2017 ©Jay Chung & Q Takeki Maeda

ジェイ・チュン & キュウ・タケキ・マエダは、フランクフルト・シュテーデルシューレ大学で出会って以来、2002年からコラボレーションを開始、ベルリンを拠点に10年以上活動を続けています。日本国内では、ハンス・ウルリヒ・オブリストへのインタヴュー集を日本語訳したアーティストブック『ハンス・ウルリッヒ・オブリスト インタヴュー Volume 1』(Walther König / 2010)でも知られるほか、2016年には「六本木クロッシング」(森美術館、東京 / 2016)に参加しています。批評への問い、美術史の参照、芸術的感化や自己反照を探求しながら、彼らの作品は、アートに関わる末梢の物語を皮肉とユーモアをもって描き出します。
1963年、西山輝夫は親友と訪れた展覧会「第15回 読売アンデパンダン」に衝撃を受けて以来、フルクサスやネオ・ダダイズム・オルガナイザーズなど前衛芸術の展覧会に一人で足しげく通うようになりました。熱狂的な美術ファンになった西山は、美術業界の人とは一切関わりを持たずに、当時の中でも最も過激で気鋭な芸術活動を追いかけ、詳細なメモを取り、配布物を収集し、展覧会の全ての作品を撮影するという方法によって記録を残しました。その後、東京を離れ岡山県へ転勤することになった西山は、2年間撮り貯めた記録を独自の方法によってスクラップブックにまとめ、その稀有な記録を個人的に保管していました。西山の残した記録のいくつかは、偶然にも他に資料が残されていないという理由からも、現在では美術史にとっても重要なものとなったのです。
昨年チュンとマエダは、慶應アートセンターに西山が一時的に自ら預けたスクラップブックと出会い、その中から10点の写真を抜粋しリプリントした『Untitled』(2016)を「六本木クロッシング」にて発表しました。つづく本展では、2つのスクラップブックの複製と2点のコラージュ作品を発表します。スクラップブックの第1部は、西山が1965~66年の2年間に東京で追いかけた展覧会をまとめたもの、第2部は、チュンとマエダが西山の方法を模倣しつつ、2017年1月17日~2月3日の2週間に東京で開催されていた展覧会を記録しまとめたものです。また第3部に西山スクラップブックの英訳に加え、チュンとマエダによる西山とのインタヴューを掲載しました。本展では、これら3冊をひとつの本としてまとめたアーティストブックを500部限定で発行いたします。
2点のコラージュ作品はそれぞれ、2つのスクラップブックを制作する過程で出てきた素材によるもので、『Untitled (arrows)』(2017)は西山スクラップブックの中の写真の人物を指し示すために書かかれていた手書きの矢印を抜粋したもの、『Untitled (logos)』(2017)は東京で収集したプレスリリースから切り取ったロゴマークによって構成されています。

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